甘納豆は育てるお菓子。

甘納豆は育てるお菓子。
心をこめて丁寧に。
斗六屋の甘納豆づくりは、全て職人の手仕事です。

0、浸漬

~豆は一日にして炊けず~

炊く前日から水に漬けます。
この下ごしらえが、口溶けのよい甘納豆を作るには大切です。
漬ける時間、温度は豆により、また季節によっても微調整します。

1、豆炊き

~口どけと美しさを決める最重要工程~

使うのは、針金一本と熟練の感覚のみ。
この針金を、頃合いをみて刺し、手に伝わる感覚で炊き具合を見極めます。

炊きすぎるとあんこになり、足りないと、皮が口に残ります。

お豆は自然のもので、同じ産地でも、年度によってできが違います。
この微妙な違いを捉え、ちょうどええ”塩梅(職人用語で加減の意)”に仕上げます。

2、蜜漬け

~焦らず中までしっとりと~

濃い蜜に、いきなり炊き上げたお豆を漬けると、浸透圧により豆が「しまり」(水分が奪われ硬くなること)ます。

しっとりとあんこのような口どけを保つには、少しずつ時間をかけて、糖度を上げていくことが必要です。

1日に2~3回、火入れ(砂糖を加えて糖度を上げる工程)を行います。
沸騰中の泡の様子や、ヘラを伝うとろみから、蜜の濃さを見極めます。
蜜漬け期間は素材の大きさによって、3日から10日ほどです。

甘納豆には2種類、表面がしっとりしたもの(ぬれ甘納豆)と、昔ながらの乾いたものがあります。

斗六屋は後者で、この表面を乾燥させるには、糖度の調節と、火加減が要求されます。

3、乾燥

~ほどよい食感を生む工程~

火加減を調節し、ほどよく温まったら、すぐに乾燥工程へ。

冷めてしまうと乾かずダマになってしまうため、とにかく手早く。
お砂糖適量をふりかけ、全体に行き渡るよう手を入れます。

砂糖の量は、乾燥具合に大きく影響します。
多すぎると、表面が乾きすぎて固くなり、少なすぎると、お豆同士がくっついて、美しさが損なわれます。

特に京都の夏の風物詩、「水無月」に使われる甘納豆は、見た目の美しさが求められる為、量の調整は大切です。
乾燥は、天候や季節にも左右される為、職人の感覚で微調整します。

4、選別

~最後まで心をこめて~

一晩おいて表面がほどよく乾いたら出来上がり。

トオシ(専用のふるい)で余分なお砂糖を落とし、割れなどを選別した後、袋詰めし、お客様の元へ届けられます。

創業より職人が守り伝えてきた、伝統の味を、是非ご賞味くださいませ。